帰国発展研究 2018年~2023年
研究代表者 森田 穂高(一橋大学経済研究所・教授)
 

研究概要

 この研究プロジェクトは、産業組織論の主要テーマである企業間競争ならびに企業の境界に関して、新たな視点から分析することを目的とします。ヒト・モノ・カネからなる企業の「ヒト」の側面に焦点をあてることにより浮かび上がってくる様々な視点に加え、企業の提携・部分的結合・企業間技術移転・垂直的企業関係なども踏まえた理論・実証分析を行います。さらに、企業の境界・ホールドアップ問題に関する契約理論分析および実験に基づく行動経済学的仮説の検証を行うとともに、企業経営・経営戦略と人材マネジメントとの関連にも注目します。企業内部の「ヒト」の側面を経済学的に分析する研究は、組織の経済学・内部労働市場分析として進展し、昇進・査定・賃金決定・職務分担・企業内訓練などを俎上に載せることに成功しています。このような研究の進展に対してこの研究プロジェクトは、企業間競争・企業の境界・資産の企業特殊性といった産業組織論のアプローチを内部労働市場分析に融合させ、より総合的な観点から分析を行うことにより新たな知見を得ることを目指します。