競争戦略・人材マネジメント研究会(第10回)
2019年11月27日(水)18:30~20:30 20:45~22:00
一橋講堂1階 特別会議室
飯島健太郎氏(横浜国立大学IMPMジャパンモジュール共同ディレクター, 元富士通マーケティング取締役)
「マネジャーの育成―ヘンリー・ミンツバーグ教授との協働プロジェクト」
マネジャーの育成に関して、International Masters Program for Managers(IMPM) のプログラムに基づいてお話をいただきました。概要は以下の通り。ミンツバーグ教授によれば、実務経験をベースにマネジメント理論を学ぶことが望ましいとのことです。IMPMでは、10年以上の実務経験者が、マネジャーに必要な5つのマインドセットを5カ国の大学で学び、また受講生間の互いの職場を訪問する(Managerial Exchange)も実施しています。また、IMPMのエッセンスをまとめたプログラムである「Coaching Ourselves」の中で、参加者が互いのマネジメント上の経験を共有(マネジメントハプニングス)しているとうかがいました。その結果、ミドルマネジャーのマネジメント力の向上と組織間の交流を促進しました。生産性向上の源泉は何なのか、Coaching Ourselves導入後の効果に関しての会社へのフィードバックに関して活発な議論が行われました。
廣瀬弥生氏(東洋大学情報連携学部教授)
「日本の組織において必要な新しいマネジメントとは」
マネジャーのあり方に関して、Coaching Ourselvesの観点を踏まえてお話をいただきました。概要は以下の通り。マネジャーの類型は、マネジャーの意思決定をトップダウンで指示するヒーロー型と、現場の人々を組織ネットワークの中でサポートする関与型に分けられます。この関与型のマネジャーに必要なスキルをCoaching Ourselvesにより習得し、中でもActive listeningとReflectionが重要であることが主張されました。昨今のデジタルトランスフォーメーション導入において、必要なマネジャーのスキルは関与型であり、組織間での連携をサポートしていくことで企業変革が成功するとのお話をいただきました。また、グローバル市場における積極性のある人材は、自分のキャリアを積極的に自分自身で管理しており、自分がどのスキルでキャリアを築いていくのかを明確にしている人材だとのお話をいただきました。キャリアの価値観を許容できる企業文化と雇用慣行との関係などに関して活発な議論が行われました。