帰国発展研究 2018年~2020年
研究代表者 森田 穂高(一橋大学経済研究所・教授)
 

UPDATES

セミナー・研究会
12.18.2019

2019/12/17 (火) 15:30~17:00
第2研究館 2階 小会議室 (217室)

Henry Schneider (クイーンズ大学・准教授)

"Promoting Best Practices in a Multitask Workplace"
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チェックリストに関する興味深い報告をいただいた。医療の分野で、作業を確実に行うためのチェックリストという実に基本的な工夫が医療ミスの軽減に大きな効果を上げることが最近発見されている。Schneider教授は、これを自動車の修理に応用したフィールド実験を行なった、すなわち、米国で自動車修理のチェーン店展開する会社に依頼し、修理工にチェックリストを導入したらどうなるかを実験したのである、結果は、修理工が今まで自分のコミッションが十分にもらえないうような修理をやらないで済ませていたものをやらざるを得なくなるため、修理工にとってのネット利得は低下するが、修理会社の利益は上がるという興味深いものであった。チェックリストの詳細などの説明・質疑が行われ、さらに研究の今後の展開についての議論となった。ここでは、日本の修理工はコミッションではなく固定賃金となっていることから、Schneider教授の実験とは異なる結果が得らることが予想されるとの重要な指摘がなされ、関連研究を日本でも行う可能性が探索された。また、チェックリストを利用するか否かを顧客に選択させることによって異なる結果が得られるのではないかとの指摘がなされ、その可能性が議論された。

セミナー・研究会
12.11.2019

2019/12/10 (火) 15:30~17:00
第2研究館 2階 小会議室 (217室)

Mark Armstrong (オックスフォード大学・教授)

"Competition with Captive Customers"
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Patterns of Competitive Interaction に関する興味深い報告をいただいた。複占市場において消費者サイドを考える時、2企業のうちのどちらかの固定客とどちらでもよい非固定客がある場合がある。このようなとき、2企業間の価格競争がどのように行われ、均衡における価格付けが消費者にどのような影響を及ぼすか、については既存研究がある。これに対して、Armstrong教授が報告した研究は、3社寡占の場合の価格競争はどのように分析できるのかを探索するものである。3社寡占の場合、1社の固定客、2社のうちどちらかから購入する半固定客、3社のどれでもよい非固定客の3通りの消費者が考えられるため、分析が非常に複雑になる。Armstrong教授の研究は、mixed-strategy 均衡を均衡概念としてこれを分析し、比較的小さい企業が低い価格、大きい企業が高い価格付けをすることが予測されるという興味深いものであった。モデルが新規性にとみまた複雑であるため、セミナー中の参加者からの質問は、分析内容を理解するためのものが中心であった。これに加えて、mixed-strategy 均衡でなくpure-strategy均衡を分析できないのか、といことと、3社でなくより一般的にn社で分析できないのか、という突っ込んだ質問がなされた。pure-strategy均衡は可能かもしれないが、均衡の存在証明や複数均衡の排除は極めて困難であろうこと、n社は難しいが4社での分析を行って3社の場合との類似性と違いを議論するのは意味があるであろうことなどの知見が得られた。

セミナー・研究会
11.28.2019

2019年10月27日(水)18:30~20:30 20:45~22:00
一橋講堂1階 特別会議室

飯島健太郎氏(横浜国立大学IMPMジャパンモジュール共同ディレクター, 元富士通マーケティング取締役)
「マネジャーの育成―ヘンリー・ミンツバーグ教授との協働プロジェクト」

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マネジャーの育成に関して、International Masters Program for Managers(IMPM) のプログラムに基づいてお話をいただきました。概要は以下の通り。ミンツバーグ教授によれば、実務経験をベースにマネジメント理論を学ぶことが望ましいとのことです。IMPMでは、10年以上の実務経験者が、マネジャーに必要な5つのマインドセットを5カ国の大学で学び、また受講生間の互いの職場を訪問する(Managerial Exchange)も実施しています。また、IMPMのエッセンスをまとめたプログラムである「Coaching Ourselves」の中で、参加者が互いのマネジメント上の経験を共有(マネジメントハプニングス)しているとうかがいました。その結果、ミドルマネジャーのマネジメント力の向上と組織間の交流を促進しました。生産性向上の源泉は何なのか、Coaching Ourselves導入後の効果に関しての会社へのフィードバックに関して活発な議論が行われました。


廣瀬弥生氏(東洋大学情報連携学部教授)
「日本の組織において必要な新しいマネジメントとは」

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マネジャーのあり方に関して、Coaching Ourselvesの観点を踏まえてお話をいただきました。概要は以下の通り。マネジャーの類型は、マネジャーの意思決定をトップダウンで指示するヒーロー型と、現場の人々を組織ネットワークの中でサポートする関与型に分けられます。この関与型のマネジャーに必要なスキルをCoaching Ourselvesにより習得し、中でもActive listeningとReflectionが重要であることが主張されました。昨今のデジタルトランスフォーメーション導入において、必要なマネジャーのスキルは関与型であり、組織間での連携をサポートしていくことで企業変革が成功するとのお話をいただきました。また、グローバル市場における積極性のある人材は、自分のキャリアを積極的に自分自身で管理しており、自分がどのスキルでキャリアを築いていくのかを明確にしている人材だとのお話をいただきました。キャリアの価値観を許容できる企業文化と雇用慣行との関係などに関して活発な議論が行われました。

お知らせ
11.04.2019

2019/12/17 (火) 15:30~17:00
第2研究館 2階 小会議室 (217室)

Henry Schneider (クイーンズ大学・准教授)

"Promoting Best Practices in a Multitask Workplace"

お知らせ
11.01.2019

2019/12/10 (火) 15:30~17:00
第2研究館 2階 小会議室 (217室)

Mark Armstrong (オックスフォード大学・教授)

"Competition with Captive Customers"

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